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促通反復療法（川平法）とは
麻痺した手や足に刺激を与えることで脳の損傷した部分の代役を果たす神経回路の再建、強化をおこない機能回復を促進する新たなリハビリ法です。
鹿児島大学霧島リハビリテーションセンター長の川平和美教授により提唱されました。
病院や通所リハビリ、デイサービスで行うリハビリの多くは、「現状を維持する」を目的としたマッサージやリラクゼーションなどの「受身的なリハビリ」が中心です。
しかし、「促通反復療法（川平法）」は患者様自らが回復に向けて動き続ける、
「能動的なリハビリ」なのです。
患者様の多くは、麻痺した腕や足を誤った動きで日常生活を送っています。それでは、迷路に迷っているのと同じです。
「促通反復療法（川平法）」では、促通手技を用いて、治療者が迷わず正しい動きを導き、反復させ、その動きの学習を促します。
麻痺の方だけでなく、人間は「脳はやったことしか覚えない」のです。正しい運動を繰り返し行うことで、正しい動きを脳に覚えさせなければいけません。
麻痺が回復する理由
麻痺の改善に必要なことは？
脳卒中や脊髄損傷による麻痺は、脳から背骨の中にある脊髄までの神経が通る道（神経路）の損傷が原因であため、麻痺を改善するには、この神経が通る道（神経路）の再建と強化が必要です。
神経路を再建・強化する方法は？
神経路の再建と強化には、強化したい神経路に興奮を繰り返し伝えることが必要です。興奮を神経細胞から神経細胞に伝えるシナプスは、興奮を繰り返し伝わると強い結合になります。
これが神経路の強化です。
効率的な麻痺の改善方法は？
麻痺を効果的（改善度/治療時間）に改善するためには、強化したい神経路（目標の神経路）へ繰り返し興奮を伝える工夫が必要です。
その方法として、損傷を受けた神経路のバランス（興奮水準）を整えるウオーミングアップ（経頭蓋磁気刺激や四肢への電気刺激、振動刺激、ボツリヌス療法など）」を行ってから、治療を行うことが効果的です。
具体的な方法は？
〜目標の神経路を治療者が指定〜
患者様は麻痺した手足を動かそうと努力して生じる様々な運動の中から目標の運動を探すこと、つまり、多くの「試行錯誤」の中で目標の神経路（運動）を探し出すことが求められます。 しかし、治療者が患者様の運動開始時に目標の神経路を教える操作を行なえば、この「試行錯誤」を減らせます。これが「促通反復療法」で用いられる「促通手技」です。
慢性期の麻痺を改善するために
麻痺の回復は、脳の可塑性が大きい期間（脳卒中後6ヶ月以内）を過ぎると期待出来ないと考えられていましたが、その時期を過ぎても強力な治療を行えば麻痺は改善します。 促通反復療法に電気刺激や振動刺激を組み合わせた治療法は強力な治療ですが、更に強度な治療法にする研究を進めています。 麻痺の改善を強く願っておられる方は、この治療法を受けられることを御薦めします。
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